導育甘言集 2014.10 [表紙頁]へ [我楽多苑 別亭 (真面目な愚痴)]へ
教育の正体 [1030]
『教育の正体 日下 公人著 KKベストセラーズ 2008年11月 1刷 \1,560+税』 (購入\108税込み)
将棋の米長名人・永世棋聖との対談、特に「その二」が世相への皮肉もあり、諸所にユーモアも見られて、面白い!
(読み易さから言えば、「その二」から始めたら良かったのでは?と思った)
この本の著者=日下氏の論・説は、何時も“なるほど!”と感心と納得をしながら読むのだが、今回の「ゆとり教育」の話には、異論があった。
子供達に物事を教えるのに、“強制”は良くない...とは云いながらも、では「ゆとり教育」がなぜ、今のような拙い効果・結果をもたらしたかについては、あまり言及されていない。
...なのに、「ゆとりのある教育」必要だと仰りたいようだ。
...だが、それは、私にとっては不満!それは、“上から目線”と同じように見える。
低年齢・低知識層で、最大多数の最大教育効果を与えるには、やはり“(巧みな)強制”によって、“知識”を習得させることは必要だ!と思うからだ。それらを“智恵”にするのは後からでよい!
尤も、“知識の詰め込み偏重”という手法は(言うまでもなく)有害無益だが、一方の“子供達の自由に任せる”という手法も害あって益無し。
特に、私達日本人の場合、物事を極端考えて、「ゆとり」といえば“何から何まで全部をルーズにすること”と解釈してしまうから問題なのだ。(要は、面倒臭いことは好きじゃあなくて、他人に任せて置けるなら、全部任せておきたいのが心情なのだから)
私の希望として、著者には、そうした教育の受け手側(親も含めて)の(劣悪な)事情や(低い)能力を吟味・分析した上で、最適手法を提案してもらえたらなぁ!と思った。
新鬼殺し戦法、他 [1027]
『新鬼殺し戦法 米長 邦雄著 山海堂 昭和51年7月 10刷 \650』 (購入\108税込み)
今頃になって「将棋」に嵌って、「将棋本」をBOOK-OFFで見付けては買って来るので、棚が一杯になってしまった。
ちょこっとつまみ食いするつもりでいたのに、何時の間にかのめり込んでしまっていた。
・・・ だが、これにはわけがある。
“知識や智恵”は、数多くの(優れた)ものと出会わなければ、易々と得られるものではないと判って来たからだ。
昔、年長者から“一を聞いて十を知る賢さ”の話を聞かされたものだが、それは私のような凡夫には縁遠い話だし、科学的・技術的にはあり得ない話。
むしろ、(私達の場合)“十を聞いて一を知る愚かさ”ではないかと(自虐的に)考えている。
(幼児・低学年教育でも同じこと!(母)親たちはそれを知らず、子供達に“一十賢”を期待して...こんなこと位、自分で出来るはずでしょ?!てな具合で...実は無知・無教養のままで、放置してしまっているわけだ)
大人になってから、自分で“無知”を認識出来ると、やっと謙虚になれる...(かな?いや、なかなかそうは行かないが。苦笑)
先日読んだ「初めての人によく分かる将棋」が、(喩えは悪いが)丸で聖書の一節のようにも思えるから面白い。(笑)
買い込んだ沢山の「将棋本」は、それぞれの著者がご自分の考えや智恵を披露してくれているのだから、私の役に立たないはずはないと思っている。(尤も、中には消化不良で下痢をしたり、物足り無さを感じる内容の本もあるが...)
なので、「将棋」に飽きるまで、“書籍の蓄積”はまだまだ続くだろう♪ (^^;?
「地球温暖化」論で [1024]
『「地球温暖化」論で日本人が殺される! 武田 邦彦、丸山 茂徳著 田原 総一朗解説 講談社 2008年10月 1刷 \1,500+税』 (購入\200税込み)
前書きの「解説」を読んでいて気が付いた!...田原総一朗氏は、「・・朗」であって「・・郎」ではなかった!
それはさておき、田原氏の『...世の中がある方向に向かって一斉に流れる現象というのは危険だと考えている。そして、現在の「反温暖化」一本やりの日本社会に、その危険な香りを感じるのだ。』という見解に似た話を、先日も見掛けた。それは、「毎日新聞」紙上で、“(慰安婦問題の過去記事訂正に関して)「朝日新聞」への総攻撃世論”を憂えている意見だった...が、私はその“中途半端さ”が気に食わない!
“中途半端”とは、実行動を引き起こすに至らない“(思考の)立ち往生”なのだから、実社会では何の役にも立たない態度なのだ!田原氏は、(インテリぶって、)常に“ちょっと待てよ!?”と云うだけで、結局は何もしない|出来ないのではないか? ...む!書き過ぎると別の話になってしまいそうなので、本に戻す。
著者の一人、武田氏の見解では、無駄なリサイクルや温暖化対策に、日本の赤字国家財政の内の3兆円近くを費やしているという。
そんな、無駄なことは止めるべきだと仰っている。私もそう思う!
現在も国や地方がやっているそうした事業や対策への“お金を無駄遣い”などは、一時期皆で騒いだ後、皆が忘れてしまって、“事実・実態の追求”など中途半端なままになってしまっている。(つまり、田原氏流!)
だが、これらはまだまだ、私達一般納税者が真剣に考え続けないといけないことだし、事あるごとに問題視しないといけない問題だと思う。
一方、丸山氏は、今地球はむしろ寒冷化に向かっていると仰っている。
元々、地球環境は、太陽系を含めた大きな(宇宙的規模の)変動の中にあるのだが、“温暖化や寒冷化”はそうした変動サイクルの内の一時期に過ぎないそうだ。
そのひとつとして、地球の磁場が弱くなって来ているために地表近くにまで降り注ぐ宇宙線が増えて、雲量を増やし、太陽光線|エネルギーを遮って、寒冷化させている効果も、気になるという。
私達日本人は、“人間が排出する二酸化炭素によって地球の温暖化が進む”という虚報を、さも“常識”であるかのように真面目に信じ込んでしまって対策に苦心・腐心しているが、欧米の(科学的知識のつまみ食い的)政策に嵌められただけで、それでは私達(お人好し)日本人は救われないとも。
アダムの呪い (第十七章) [1021]
『アダムの呪い ブライアン・サイクス著 大野 晶子訳 ソニー・マガジンズ 2004年7月 2刷 \2,000+税』 承前(1012)
東ヨーロッパにまで広げられたチンギスハーンの大帝国、それによる「遺伝子の繁殖・拡散」という問題に触れられている。
その帝国内には、チンギスハーンが持っていただろうY染色体と同じものが、必ず見付かるそうだ。
それが、本当にチンギスハーンのものであるとは証明は出来ないが、その帝国の領域外では同じY染色体は見付からないことから、先ず間違いは無いだろうとのこと。
そうした“帝国拡大”の理由を考えると、私達素人は、単に“領土拡張欲”だとか、“権力欲”などと云って済ませるが、本当にそれだけ?...という疑問が湧いてくる。
遊牧民が、広大な領土を必要とした理由は、そんな所には無かったのではないか?
もっと、奥の、遺伝子レベルの衝動・欲求=「(遺伝子を広い地域にばら撒くという)種の繁殖欲」に帰せられるのではないか?
本を読み進めると、やはり、チンギスハーンが持っていたY染色体が(自己拡散・繁殖を望んで)引き金を引いた「新しい進化のメカニズム」だろうというのが著者の見解のようだ。
...ということは、それを現代で眺めると、中華帝国の領土拡張政策は、その遺伝子を絶え間なく周辺にばら撒いて繁殖させようとして来たチンギスハーンの強い遺伝子(の末裔)の仕業であって、一見マイルドに見える言動などは“仮・嘘・贋の姿”のように見えてしまう。
(彼らの止むことない“反日政策”は、遺伝子レベルの衝動かもしれない)
そうなると、(チンギスハーンの遺伝子は入っていない)日本種遺伝子は、目下風前の灯なのでは?...自分自身の毛繕いに忙しくて、天敵の異種遺伝子から襲い掛かられようとしていても、その危機に気付いているのは一部だけ?
(いや!“何となく中国が嫌いだ”というアンケート結果は、それを意味しているのかもしれないが)
一方で、安倍首相が積極的外交で、そうした“天敵遺伝子の封じ込め”に動いてくれているのは、私達純血種(!)には好ましいことだ。
(ふと思ったのだが、日本や韓国、北朝鮮の「チンギスハーン型Y染色体」を持つ者と「その人物の思想・行動」との相関が調べられたら、非常に興味深い事実が出て来るのでは?と思うがどうだろう)
早雲の軍配者 [1018]
『早雲の軍配者 富樫 倫太郎著 中央公論新社 2010年9月 8刷 \1,700+税』 (購入\108税込み)
筋書きも面白く、流れるような筆致なので、アッという間に読み終えてしまった!
多分、これはベストセラーだったのだろう。
(帯に“全国の書店員から絶賛の嵐!!”と書かれてあるし、そうだろうと思った)
だが、私が気になったのは、「軍配者」って何だろう?ということ。
話の中に説明があって、「“軍師”、“占師”などの能力を兼ね備えた導師的な人物」で、北条早雲の時代に、それらの“手法や心得”を「足利学校」で学んだそうな。
当時の「足利学校」は、そうした“導師養成機関”のようなものだったらしく、各地域の有力者・豪族などの師弟が学びに来ていたという。
この主人公は、“風間村・族の小太郎”で、後に“風摩小太郎”となるそうだが、この呼び名は何処かで聞いた|読んだことがある!...確か、彼は忍者か隠密だったように思うが...違ったかな?
この本の話が、どの程度史実に忠実なのかは分からないが、それを差し置いても、やはり、「北条早雲」という人物は魅力的だ。(既読本)
視力はすぐ戻る [1015]
『脳を刺激すれば視力はすぐ戻る 中川 和宏著 三笠書房 1994年9月 7刷 \1,000税込み』 (購入\108税込み)
以前、私の近視症状がかなり回復して来た話を書いた。(PC-VY12AWの記事内)
この本の話は、それを裏付けてくれそうだ♪
確かに、脳が活性化すれば、色々な物事がよく見える|理解出来る(比喩的に)ようになるのだが、「眼」だってそうだと思う。
そうした能力は、“慣れ”や“訓練”によっても、強化されるはずだ。
この本に面白い説明がある。
・・・ 脳が自動的に天地逆に読み込んでくれるから、今読んでいる本を上下逆様にしても簡単に読めるでしょう?!と。 ・・・
やってみると、確かに、苦も無く読める!
だから、喩え近眼や老眼になるはず?であっても、(脳が不活性化・弱体化しなければ)視力は衰えないのだそうだ。
(何も固定焦点で物を見ているわけではないし、外界からの光子は漏れなく網膜に届いているのだから、見える見えないも問題ではなく、後はその情報を脳がいかに精細に分解処理出来るかの話のようだ)
この著者は、低視力者達を、そうした考え方による訓練(ビジョン・セラピー)で、0.1以下から1.0以上に回復させた実証例を挙げている。
その場合、眼球レンズの屈折率はそのままか、またそれの改善も期待しながら、視力を回復することが出来るそうだ。
悪くなる|なったものは仕方がないと、安易に追従するのではなく、逆に回復させられないか?と努力してみることも必要だ!と思う。
...私は、街中で時折、メガネを掛けさせられた(健康そうな)子供を見掛けるのだが、あれは“一種の人権蹂躙”ではないかと、苦々しく思っている。
メガネを掛けてしまうと、その時はそれで良くても、以降回復する機会を失わせ、それ以上に(以下に?)悪化・劣化するのが常だからだ。
本来回復可能な能力なら、その回復訓練を施すべきで、メガネで誤魔化して、劣化を余儀なくさせるのは、子供の為にはならない!
それは、“残酷な仕打ち”だってことだ!
出来れば、日本でも、こうした「視力改善セラピー」を、義務教育過程の中に組み込んで欲しいものだが。
アダムの呪い (第十四章) [1012]
『アダムの呪い ブライアン・サイクス著 大野 晶子訳 ソニー・マガジンズ 2004年7月 2刷 \2,000+税』 承前(1003)
(この本の中に頻繁に前作の「イヴの七人の娘たち」が出て来るので、一度、それも探して読まねば!と思っているのだが、)この章で新たに知ったことがある。
それは、ミトコンドリアDNAから計算した“イヴの生存時期”が十四万年前からなのに、Y染色体の分析から“アダムの生きていた(生き始めた)時代”は僅か(!)五万九千年前からだったそうだ。
へぇ!西洋のお伽噺に出てくる“アダムとイヴが同じ木の下でリンゴを齧った”という話や“イヴはアダムの肋骨から作られた”という話とは、辻褄が合わないみたい。(笑)
それは兎も角、そうした女性(≒ミトコンドリアDNA)の長い生存の歴史の中で、必要があって男性(≒Y染色体)が作り出されて来たってことらしいが、昨今の“男性の中性化や女性化傾向”を見ると、もう“男性は不要品”だと見做され始めたのかもしれない。
“女性の社会進出・発言力の強大化”によって、社会の「生産効率の低下」や「変化拒否の傾向」が益々助長されて来ているようだし、見えない借金(赤字国債)による「日本国民の貧困化」や、止まらない「少子化傾向」など、どれを取っても“Y染色体”の生存環境を狭めて、生延び難くし始めているような気がしてならない。
(生産性低下といえば、先般の東京都議会でのセクハラ野次問題での男性議員の辞職もその一例だが、通常、都議会議員は“都政の審議”が仕事のはずだが、女性議員は“セクハラ退治”の方が仕事だったようだ。 ...だが、遺伝子的な“セクハラ”って何だろう?苦笑)
“ミトコンドリアDNA”が“Y染色体”を(幾万年もの時間を掛けずに、そさくさと)駆逐しに掛かっているようも見える。(私の単なる思い過ごしかな?)
だが、その傾向は種族・民族毎で違うようだから、(“Y染色体の一人”としては、)油断が出来ない。
つまり、(“日本男児”として、)私欲的には、“大和撫子たち”だけは、何とか生き残らせてやりたいと思っているのだが。
しかし、現実の“大和撫子たち”は斑模様で、体育系は強くても、産業系や政治系はガラクタばかり。(そうでない方達には、失礼ながら!)
お父さんが教える算数 [1009]
『お父さんが教える算数 佐野 満著 池田書店 2002年10月 1刷 \1,300+税』 (購入\108税込み)
(もう、私がその役をすることは無いけれども、)孫達の教育には関心があるので、買ってみた。
まず、この本で感じたのは、著者の“基本的な思想”がしっかりしているということ。
(単なる“軽薄なノウハウ本”ではなくて、“深みのあるノウハウ本”だと思う)
なぜ、算数などを教えるのは「お父さんの方」が良いかってことを、さらりと書いてある。
・・・ それは、(人それぞれの性格の違いについては、この著者は承知の上で、)男性と女性の遺伝子的な問題だってことにも触れてあって、母親(=女性)には難しいことでも、父親(=男性)には出来ることだから“しっかり、教えてあげて下さい!”と暗黙的に示してある。
この本、気合を入れて読めばいいのは、始めの43ページだけだと思う。
それの後半の鉄則10か条(図2<クリック>)は重要だが、誰もが全部を守れるわけはないなぁ♪
でも、父親は、“何とか努力や工夫をすることが出来る”から意味・意義があると(私は)みた!
後の内容については、その都度、該当箇所を開いて見ればいいと思う。
そして、子供には、こうしたネタ本があるってことを知られたっていい!隠す必要など、さらさら無い♪
(この本の前の持ち主も、そんな使い方をしていたみたいで、所々に印が入っていた。売る本としては、あまり好ましくはないのだが、これは止むを得ないか?苦笑)
えほん100冊 [1006]
『親子で楽しむ絵本100冊 ちひろ美術館編 メイツ出版 2001年3月 7刷 \1,500+税』 (購入\108税込み)
孫達に読ませたい本を、BOOK-OFFで探していたら、こんな“本の本”が見付かった♪
実は、時々、外出したついでに、児童書の新刊などを探したり、古本を探したりすることがあるのだが、並んでいる本がやたら多くて、しかも大きさもまちまちなので、(店頭では)選ぶのに苦労する。 ...それに、なかなか“これはいい!”という本が見付からず、“また今度!”とパスすることも多い。
で、この“本の本”はどうか?とみたら、“これは、なかなかいい!”
取り上げられている本の殆どが、(大人も子供も)抵抗無く読めそうだ。
それに、この“本の本”そのものも、絵入りだから楽しく読める|眺められる。
私が、気に入って買ってある本や、これから探してもいいなと思う本が、幾冊かある。
それらを全部覚えておくわけにも行かないが、BOOK-OFFなどで探す時に、もしかして脳裏で閃いてくれるかもしれない...と期待しながら拝見している。d(^^;
アダムの呪い (第十一章) [1003]
『アダムの呪い ブライアン・サイクス著 大野 晶子訳 ソニー・マガジンズ 2004年7月 2刷 \2,000+税』 (購入\200税込み) 承前(0918)
細胞内では、二つの戦いがあるという。
「核遺伝子」は、環境変化に対して自分達を生延びさせるために、二つの性(女性と男性)を作り出した。そして、性による繁殖を是として来た。
ところが、細胞内の「ミトコンドリアDNA」(三十七個の遺伝子から成る)にとっては、“二つの性”など迷惑な話なのだそうだ。
それは、“男”を作るということによって、自分達のおよそ半分が必ず削り落とされてしまうからだ。
この著者の言い方だと、“ミトコンドリアが息子をひどくきらっている”ということになる。
他方、「Y染色体」は、(娘の方には、Y染色体は無くて、)息子を通してのみ受け継がれて行くから、息子は不可欠な存在なのだ
だから、これら「ミトコンドリアDNA」と「Y染色体」は、“遺伝的なライバル”なのだそうだ。
遺伝子のレベルで、それぞれが必要でありながら、お互いに反発し合っている様は、人間世界にも反映されているってわけ!
そう考えると、今時は“女性の権利”ばかりが強調され、“男性の権利”などは無視される世の中だが、それは“不公平”というもんだ!...もっと男性にも権利を!
(だが、“最近の人口増大の危険性を意識し始めた遺伝子”は、安定の良い少数社会を維持するために自己抑制的に繁殖機会を減らそうと企んでいるのかもしれない...それが“少子化現象”というわけか)
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